ルテオリンはフラボノイドの一つで、春菊やセロリ、ブロッコリーなどに含まれる成分です。抗酸化作用が高い成分で、老化予防に効果があると言われていますが、特に尿酸値を下げる働きが知られています。
尿酸値が高くなると通風などの病気にかかりやすくなるので注意が必要です。
尿酸値に対する効果をはじめ、健康や美容に対するルテオリンのさまざまな効果について解説します。ルテオリンの摂取方法やサプリメントの選び方についてもお伝えします。
ルテオリンは尿酸値を下げ通風を防ぐ効果が期待できる
ルテオリンの代表的な効果として、尿酸値を下げる効果が期待されています。
プリン体が過剰に増えると尿酸値が上がる
尿酸とはプリン体が分解される際に生まれる老廃物で、尿酸値とは体内の尿酸の濃度の数値のことです。
尿酸は尿と一緒に排出されるものなのですが、体にトラブルがあると尿酸の量が増えてしまいます。
プリン体とは細胞の中のDNAの主成分で体内では重要な働きをするものですが、過剰に産生されたり、排出されにくくなったりすると尿酸値を上げてしまうのです。
ルテオリンには尿酸が産生される成分の働きを抑える作用がある
ルテオリンは、尿酸を産生させるキサンチンオキシダーゼという酵素の働きを抑える作用があります。フラボノイドにはその働きがあると言われているのですが、中でもルテオリンはその作用が高いのです。
プリン体はキサンチンオキシダーゼという酵素の働きで作られます。
ルテオリンはプリン体が過剰に増えるのを抑えてくれる効果が期待できるのです。
ルテオリンのほかアンセリンという成分も尿酸値を下げる効果が期待できる
尿酸値を下げる効果が期待されている成分として、ルテオリンのほかアンセリンという成分もあります。
アンセリンはペプチドの一つで、カツオやマグロなど主に動物の筋肉に含まれる成分です。アンセリンは乳酸の分解を促すと言われ、魚がずっと泳ぎ続けられるのはアンセリンの働きによるものです。
アンセリンは疲労回復の効果があると言われている一方で、尿酸が作られるのを防ぎ、体外へ排出する働きがあることも知られています。
尿酸は交感神経が優位になると排せつされにくくなるとされています。アンセリンには交感神経の働きを抑える作用があり、尿酸の排せつを促すと言われているのです。
尿酸値が高いと通風や尿路結石などのリスクが高まる
体内の尿酸濃度が高くなっても、自覚症状はほとんどないと言われています。
そのため放置してしまうことが多く、尿酸値が高い状態が続くと、通風や尿路結石、腎臓の機能低下などにつながります。
通風 |
尿酸が関節に蓄積され、「風が吹くだけでも痛い」と言われるほどの激痛が走る。足の親指が腫れる、痛みがあるといった症状が多い。歩行困難になることもある |
尿路結石 |
尿酸が結晶化し、結石となると尿路結石を起こすことも。尿路結石とは尿路(腎臓から尿道までの間)に結石ができる疾患。血尿や下腹部や腰に激痛が起こり、嘔吐などの症状が出る。症状が重いと腎盂炎につながることもある |
腎臓疾患 |
尿酸値が高いと尿酸が結晶化し、腎臓に蓄積してしまうことも。そのため、腎臓機能が低下し腎臓疾患を招くリスクが高まる |
通風は男性ホルモンの影響があるため男性に多く発症します。女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが尿酸の排せつを促すため、尿酸値が高くなりにくいのです。
ただし、女性の場合でも、閉経後女性ホルモンが減少することで通風になることがあるので注意が必要です。
尿酸値が高めになりやすい人
尿酸値が高めになりやすい人には特徴があると言われています。尿酸値が高めになりやすいのは、次のような人です。
- アルコールをたくさん飲む
- 内臓脂肪が高い
- 水分をあまりとらない
- 運動をあまりしない
- ストレスを溜めやすい
- 血縁者に尿酸値が高めの人がいる
お酒を飲むと尿酸値が高くなる、と聞いたことがある方も多いでしょう。
アルコールを代謝する際に尿酸が肝臓で生成されることや、アルコールを過剰摂取することで乳酸が増えて尿酸が排出されにくくなることが原因とされています。
レバーや魚の内臓などにはプリン体が多く、食べすぎると内臓脂肪を増やすだけでなくプリン体を増やし尿酸値を上げてしまいます。
水分が足りていないと血液が濃くなり、尿酸値が上昇しやすくなります。尿の量が少ないと、尿酸の排出量が減るため、尿酸値も上がってしまうのです。
激しい運動をするなど運動をしすぎると乳酸が増えて尿酸が排出されにくくなりますが、運動不足は尿酸の代謝を悪くするので注意が必要です。
また、ストレスを溜めやすい人も尿酸値が上がる傾向にあると言われています。ストレスを感じると自律神経の一つである交感神経が活発になり、尿酸が増えてしまうからです。
ストレスで体調を崩したり、アルコールを飲みすぎたりすると、尿酸値が上がりさまざまな疾患を引き起こしかねません。
尿酸値が高くなるのは体質によることもあり、遺伝が関係すると言われています。親や親戚などに通風の患者さんがいる場合は尿酸値が高くなる可能性もあるという点を認識しておきましょう。
上記のような点に心当たりがある場合は、医療機関で尿酸値の検査をしてみることをおすすめします。
尿酸値を上げないためにルテオリンの摂取と同時に行いたい生活習慣の改善
ルテオリンの効果だけに期待せず尿酸値を上げない生活習慣も重要です。特に注意したいのが、次のような点です。
- アルコールの過剰摂取をしない
- 肉や魚だけでなく野菜や乳製品を摂取する
- 水分は十分にとる
- 無理のない範囲で運動をする
プリン体が多いビールの飲みすぎは要注意
アルコールの中でもビールはプリン体を多く含んでいるので、飲みすぎないようにしたいものです。しかし、ビール以外ならよいのか、というわけではありません。焼酎やウイスキーなどはプリン体が少ないと言われていますが、飲みすぎれば尿酸値に影響します。
しかし、お酒がストレス発散になるという方も多いでしょう。尿酸値が高くなるのは過剰に摂取した場合です。
実際アルコール飲料を摂ると血清尿酸値が増加しますが、節度ある飲酒では尿酸値は変化しません。
引用元:公益財団法人 通風・尿酸財団 飲酒と尿酸
アルコールは血行をよくしたり、ストレスを緩和したりするメリットもあります。無理に禁酒をすれば、かえってストレスになってしまうでしょう。アルコールの摂取は節度ある量であれば、問題ありません。
厚生労働省では節度ある飲酒量を、1日約20g程度としています。お酒の種類別の目安としては次の通りです。
お酒の種類 |
アルコール度数 |
目安 |
ビール |
5% |
中瓶1本(500ml) |
清酒 |
15% |
1合(180ml) |
ウイスキー・ブランデー |
43% |
ダブル60ml |
焼酎 |
35% |
約100ml |
ワイン |
12% |
2杯(1杯120ml) |
1日の終わりに晩酌を楽しみにしている方も多いでしょう。お酒の量を減らすことで、その楽しみがなくなってしまうと思うとがっかりしてしまうものです。飲むときはゆっくり飲む、水を飲みながら飲酒するなど、自分でできる方法を見つけ、飲む量を減らしていってみてください。
プリン体の多い食事を避け野菜を意識して摂る
通風は「ぜいたく病」などと言われていた時もありました。プリン体は「ごちそう」に多く含まれることが多いためです。
尿酸値を上げないためには、プリン体を多く含む食事を控えることが必要です。
プリン体を多く含む食品には、次のようなものがあります。
肉類 |
鶏レバー、豚レバー、牛レバーなど |
魚類 |
スルメイカ、白子、海老、カニ、マグロ、サンマ、カツオなど |
一方で、野菜や乳製品には尿酸値を下げる効果が期待できる食品も多いです。
ビタミンCには尿酸の排出を促す効果があると言われています。野菜や果物にはビタミンCを含む食品も多いため、意識して摂ることよいでしょう。
水分はこまめに摂取して尿酸値を下げる
水分摂取のコツはこまめに飲むことです。1時間ごとにコップ1杯程度の水分を補給しましょう。1日1.5リットル~2リットルを摂取するとよいと言われています。尿酸値が高い場合は、2リットル以上の水分補給が必要です。
就寝時は汗で水分不足になりやすいものです。夜寝る前や朝起きたときは、しっかり水分補給を忘れずに。また入浴前と入浴後も水分を摂りましょう。
水分は水かお茶がおすすめです。ジュースやスポーツドリンクは糖分が多いので反対に尿酸値を上げてしまうことがあります。もちろん、アルコールは水分補給にはなりません。アルコールは利尿作用があり水分不足になってしまうので、お酒を飲むときは水分も摂るようにしましょう。
適度な有酸素運動で尿酸値を上げない体になる
内臓脂肪が多いとプリン体が増えやすくなります。痩せている方でも運動不足で代謝が悪いと尿酸が排出されにくくなり、尿酸値が上がります。
尿酸値を下げるには、運動不足にならないことです。
おすすめなのは有酸素運動です。毎日30分以上歩いたり、サイクリングや水泳をしたりすることで、脂肪を燃焼させましょう。家の中でできる踏み台昇降などもおすすめです。
ルテオリンは動脈硬化をはじめ生活習慣病予防効果が期待できる
ルテオリンは動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病予防効果が期待できます。
血管に尿酸の結晶が溜まると血管にダメージを与え動脈硬化になる
尿酸値が高いと尿酸の結晶ができ、それが血管に蓄積され、動脈硬化を引き起こします。尿酸値が高い状態のまま放置すると、尿酸塩結晶が血管の細胞の中に入り込み、血管の細胞にダメージを与えるのです。
尿酸塩結晶は血管に炎症を起こし、血管を傷つけます。血管が傷つくと、悪玉コレステロールが入り込み、酸化されて酸化LDLとなりプラークを作ります。プラークが形成されると血管が狭くなるだけでなく、破裂しやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になるのです。
そのような結果にならないためには、尿酸値を上げないことが必要です。
尿酸の生成を抑制する働きがあるルテオリンは、尿酸値を下げる効果があります。その働きは、動脈硬化予防に役立つということです。
ルテオリンは悪玉コレステロール値を低下させる効果が期待できる
東京大学の研究において、ルテオリンが動脈硬化による疾患の発症リスクを下げることが報告されています。
東京大学大学院の教授、助教授らの研究では、悪玉コレステロールの低下のためには、HNF4αという物質の活性を抑制することが必要で、ルテオリンにはHNF4αの活性抑制効果が期待できることがわかりました。
ルテオリンの摂取は、血中の悪玉コレステロール値を低下させ、動脈硬化を防ぐことが可能になるということです。
動脈硬化を防ぐルテオリンは高血圧対策にもなる
尿酸値が高くなると血管の健康が損なわれ、高血圧のリスクが高まります。
尿酸値を下げる働きのあるルテオリンは血管の健康を守ることができ、高血圧のリスクを下げる効果が期待できます。
高血圧の要因の一つは血行が悪くなることです。血液循環が悪くなる原因はさまざまですが、動脈硬化もその一つ。
高血圧とは血管にかかる負担が大きい状態ですが、動脈硬化が進行すると血管が狭くなり、血管への負担が大きくなります。
動脈硬化を防ぐ効果も期待できるルテオリンは、高血圧対策の一つと言えるでしょう。
ルテオリンには肥満予防効果が期待できる
ルテオリンは抗肥満効果が期待できることが報告されています。ルテオリンにはNPC1L1という、コレステロール吸収に関与するタンパク質の働きを阻害する作用があることもわかっています。
ルテオリンは高コレステロール血症や肥満の予防が期待できるということです。
高コレステロール血症とは、悪玉コレステロール値が高く、脂質代謝機能にトラブルが生じている状態です。脂質異常症の一つで、放置すると動脈硬化を引き起こします。
脂質異常症は自覚症状がないため、改善しないと徐々に動脈硬化が進行し、突然、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などを発症することがあります。
脂質異常症は、毎日の食事や生活習慣によって発症するものです。以下の項目に当てはまることが多い場合は要注意です。
- 揚げ物やバターなど油っこい食事が多い
- アルコールを毎日適量以上飲む
- 食べすぎてしまうことが多い
- ほとんど運動をしない
- 甘いものが好きでよくおやつを食べる
- 血糖値が高い
- 高血圧気味
- 腎臓の機能が低下している
- ストレスを溜めている
また、肥満は脂質異常症をはじめ、高血圧や糖尿病などの発症リスクを高めてしまいます。睡眠時無呼吸症候群も肥満が原因で起こる疾患の一つです。
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中、10秒以上、何度も呼吸が停止する病気です。寝ている間に呼吸が止まると酸素不足し、心臓や血管、脳などに負担をかけるため命にかかわる病気の原因になります。また、糖尿病や高血圧などになりやすいので注意が必要です。
「自分は大丈夫」と思っていても、体内ではさまざまな器官にダメージを与え、動脈硬化などの症状が進行していることも少なくありません。
肥満とは太っている、ということですが、それが身体に悪影響を及ぼす病気のリスクがある場合は、肥満症と診断され、治療が必要です。 BMI(体重(kg)÷{身長(m)✕身長(m)}が25以上は肥満となります。
さらに、内臓脂肪が蓄積されている状態をメタボリックシンドロームと言います。内臓脂肪が蓄積されていると、動脈硬化を進行しやすいと言われています。
腹囲が男性の場合85cm以上、女性の場合90cm以上で、血圧血糖、血清脂質の中で2つ以上が基準値以上の場合は対策が必要です。
重篤な疾患を発症する前に、ルテオリンなど肥満予防に効果が期待できる成分を取り入れながら、生活習慣を改善していきましょう。
ルテオリンには白髪予防においてほかの抗酸化物質にない働きがある
ルテオリンには白髪を予防する効果があると言われています。それは、名古屋大学の研究者たちによって証明されました。
研究者らは、セロリ、ブロッコリー、ニンジン、タマネギ、ピーマンなどの野菜に含まれる抗酸化物質であるルテオリンが、白髪防止の潜在的効果を持つことを明らかにしました。
引用元:名古屋大学 NU Research Information 野菜に含まれる抗酸化物質ルテオリンは、白髪の予防に効果がある可能性がある。
白髪は老けて見えることもあり、こまめに白髪染めをしなければならないなど苦労をしている方も多いでしょう。ルテオリンの摂取で白髪予防ができれば、白髪に対するストレスも軽減されるのではないでしょうか。
なぜルテオリンで白髪予防ができる?白髪に対するルテオリンの働き
研究の結果、ルテオリンにはエンドセリンへの関与が白髪予防につながるということがわかりました。
研究では白髪が進行しているマウスを使い実験。マウスにルテオリンを塗布・経口投与した結果、白髪の割合が減少したそうです。
白髪予防には抗酸化作用が関係すると考えられていたため、抗酸化作用のあるルテオリン、ヘスペレチン、ジオスメチンで研究を行った結果、効果が見られたのはルテオリンのみでした。
さらに調べてみると、ルテオリンにはエンドセリンの減少を抑える作用があることが判明したのです。
ルテオリンにはエンドセリンの減少を抑え白髪を予防する効果が期待できる
白髪が進行する原因の一つが、エンドセリンの減少です。
エンドセリンには、メラニン(毛髪の色素)を作り出す働きをサポートする作用があります。
生まれたばかりの毛髪は白いままです。黒くなるのは色素細胞であるメラノサイトの働きによるもので、メラノサイトの元になるのが色素幹細胞です。
エンドセリンは細胞間の信号伝達経路を維持し、メラノサイトの活性化を促す働きがあります。
しかし、加齢とともに毛髪に色を与えるメラノサイトの老化でエンドセリンが減少したり、メラノサイト幹細胞側の衰えによって色素を作り出せなくなったりすると、毛髪は黒くならず白いままということになります。
本研究では、ルテオリン投与によってエンドセリンとその受容体の発現が維持されました。この維持は健全なシグナル伝達経路をサポートし、白髪化に伴うメラノサイトの活性低下を予防します。
引用元:名古屋大学 NU Research Information 野菜に含まれる抗酸化物質ルテオリンは、白髪の予防に効果がある可能性がある。
ルテオリンがエンドセリンの減少を抑えられれば、色素細胞が活性化し白髪予防ができるということです。
ルテオリンの抗酸化作用も白髪予防に関与する
白髪予防においてエンドセリンへの関与はルテオリンの限定的な効果ということが報告されていますが、ルテオリンの抗酸化作用も白髪予防に全く関係ないとは言えません。
白髪になる原因の一つが加齢による老化です。
老化は体内の抗酸化作用を弱めてしまいます。抗酸化作用が弱まると活性酸素が増え、色素幹細胞を傷つけ、色素が作れなくなり白髪が増えてしまうのです。
抗酸化作用を高めるためには、ルテオリンのような抗酸化作用のある物質を取り入れることが必要です。
白髪対策としてできること
人への白髪効果が明確にあることは研究段階で、ルテオリンのサプリメントを服用していれば白髪対策効果が期待できるものの、必ず白髪が減るとは言えません。効果を得るためにも、ルテオリンの摂取以外の対策をしていくことが必要です。
白髪予防として重要なのが食事、睡眠、ストレスの発散です。
髪の毛の元となるケラチンに必要なたんぱく質を摂ること。また髪の発育をサポートするミネラル、代謝機能を向上させるビタミンB群、抗酸化作用の高いビタミンCやビタミンEを積極的に摂取しましょう。
細胞の新陳代謝に関わる成長ホルモンをしっかり分泌するには、質のよい睡眠が必要です。必要な睡眠時間を確保し、熟睡できるよう部屋の温度や照明など寝室の環境にも配慮しましょう。
ストレスは白髪を増やす要因となることがあります。ストレスを感じると毛細血管が収縮し、血行が悪くなります。血行が悪くなれば、メラノサイトの働きにも影響し色素が供給されなくなり白髪となってしまうでしょう。
自分なりのストレス発散方法を見つけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
ルテオリンはフラボノイドの一つで強い抗酸化作用を持つ
ルテオリンはフラボノイドの一つです。フラボノイドの特徴やルテオリンを含む植物などについて解説します。
ルテオリンは菊の花に多く含まれる
ルテオリンは植物性の食品に多く含まれています。ルテオリンを含む主な食品や植物は次の通りです。
- パセリ
- セロリ
- ブロッコリー
- タマネギ
- ニンジン
- 春菊
- カモミール
- ピーマン
中でも菊の花に多く含まれ、菊の花由来のルテオリンサプリメントも少なくありません。
菊の花には数十種類のフラボノイドが含まれ、抗酸化作用や抗炎症作用、尿酸値を下げる働きがあるとされています。菊の花にはルテオリンのほかアピゲニンも多く含まれています。
フラボノイドとはポリフェノールの一つで植物色素の総称
フラボノイドとはポリフェノールの一種で、植物の色素や苦みなどの成分です。フラボノイドは植物の葉や茎などに含まれる成分で、植物を紫外線や外敵から守るための物質として生成され、植物の健康を守る働きがあります。
フラボノイドには4,000以上もの種類があるとされ、強い抗酸化作用を持つことで知られています。
フラボノイドはルテオリンのように、抗酸化作用のほか独自の働きを持つものも多いものです。
種類 |
期待される効果 |
多く含む主な食品や植物 |
アントシアニン |
目の健康を維持する |
ブルーベリー、ビルベリー、ナス、カシス |
ヘスペリジン |
血流改善 |
みかん、レモン、オレンジなどの皮やすじ |
イソフラボン |
更年期症状の緩和 |
豆腐、納豆、豆乳、きな粉、味噌 |
カテキン |
抗ウイルス作用、コレステロールを下げる |
緑茶、紅茶、ウーロン茶、りんご、さくらんぼ、チョコレート |
ルチン |
血管を強くする |
そば、トマト、アスパラガス、みかん、いちじく |
アピゲニン |
糖尿病予防 |
セロリ、ピーマン、パセリ、タマネギ |
ケンフェロール |
抗不安作用、抗アレルギー作用 |
ケール、キャベツ、ブロッコリー、ニラ |
ゲニステイン |
更年期症状の緩和、骨の健康を維持 |
味噌、納豆、豆腐、豆乳 |
テアフラビン |
血糖値の上昇を抑制 |
紅茶、ウーロン茶 |
メトキシフラボン |
脂肪燃焼 |
柑橘類の皮、ブラックジンジャー |
ルテオリンのサプリメントには、ルテオリン以外の成分が配合されているものも少なくありません。特に気になる成分があれば、チェックしてみるとよいでしょう。
ルテオリンを多く含む春菊は美容効果が期待できる
ルテオリンは春菊に多く含まれています。春菊にはルテオリンのほかにも美容に効果があると言われる成分が含まれているので、食事に取り入れてみるのもおすすめです。
春菊には美容効果が高いと言われるβカロテンが豊富に含まれる
春菊にはβカロテンが豊富に含まれています。ほうれん草やカボチャなどにも多く含まれるβカロテンですが、春菊はそれらの野菜よりもβカロテンの含有量が多いのです。
春菊 |
4,500μg |
ほうれん草 |
4,200μg |
かぼちゃ |
4,000μg |
βカロテンには、活性酸素を取り除く働きがあると言われています。紫外線を浴びると活性酸素が増え、シミの原因となるメラニンを生成します。
メラニンが過剰に増えるとターンオーバーによってもメラニンが排出されず肌の内部に蓄積され、シミになってしまうのです。
βカロテンは紫外線によって増えた活性酸素を除去し、シミ予防に効果があると言われています。
また、活性酸素はコラーゲンの分解を促す作用があり、シワや肌の弾力を失う原因となります。活性酸素を減らすことで、コラーゲンが分解されるのを抑制し、シワ予防や肌の弾力が失われるのを防ぐことが可能です。
さらには、活性酸素によって悪化する皮脂の分泌による炎症を抑え、ニキビの炎症を防いだり、肌荒れを予防したりする効果も期待できます。
βカロテンは皮膚の中でビタミンA(別名レチノール)に変換されます。レチノールは細胞を健康にする働きがあり、肌の新陳代謝を促します。新陳代謝が活発になれば、シミの予防・改善のほか、肌の乾燥を防ぎ、肌荒れをしにくい健康な肌を手に入れることができます。
春菊にはルテオリン以外のポリフェノールが含まれ健康効果が期待できる
春菊にはルテオリン以外のポリフェノールが多数含まれています。
代表的なものには、ケルセチンとクロロゲン酸があります。
ケルセチン |
強い抗酸化作用のほか、肥満予防効果、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できるほか、肝機能にもよい影響を与えると言われている |
クロロゲン酸 |
脂肪の蓄積を抑える働きや、糖尿病によい影響を与えると言われている |
脂肪の蓄積を抑える働きも期待できる春菊は、メタボリックシンドロームの予防や改善にもおすすめです。
春菊の苦みを抑えるコツ
栄養価が高く美容にもよいと言われる春菊ですが、苦味が苦手という方も多いでしょう。苦味は春菊の特徴でもあるのですが、好みに合わない場合もあるものです。
春菊の苦みを抑えるには、加熱時間を短くすることです。加熱するほど苦味が増してしまうので、茎の部分でもゆで時間は1分程度、葉の部分は10秒程度で大丈夫です。
もしくは加熱せずにサラダとして生で食べれば、あまり苦味を感じずにすみます。
または、調味料などで苦味を緩和させる方法もあります。だしやオリーブオイル、ドレッシングやはちみつ、味噌やしょうゆなどを使うと苦味が抑えられ、食べやすくなるでしょう。
春菊に含まれる栄養素を壊さない調理法
春菊の栄養を逃さず食べるには、生で食べるのがおすすめです。ドレッシングやだしなどを使って食べるよいです。春菊にはサラダ用の春菊もあるので、生で食べるときはサラダ用を選ぶのがおすすめです。
春菊にはビタミン類も多く含まれています。ビタミンBやビタミンCは熱に弱いので、ゆでると栄養素が流れてしまったり、壊れてしまったりします。ゆでるときには鍋やスープで食べるのがおすすめです。
蒸し料理なら栄養素が流れ出る心配はなく、ゆでるより栄養を摂取できるでしょう。
春菊に含まれるβカロテンは脂溶性ビタミンといって、油と相性がよい栄養素です。油で炒めることで、βカロテンをしっかり吸収できます。
「和えるだけ」の簡単にできる春菊レシピを紹介しますので、参考にしてみてください。
レシピ |
食材 |
春菊のナムル |
春菊、ごま油、鶏ガラスープの素、塩 |
春菊の胡麻和え |
春菊、すりごま、塩、砂糖、ごま油 |
春菊と豆腐のサラダ |
春菊、豆腐、ポン酢 |
春菊とツナのサラダ |
春菊、ツナ、ごま油、鶏ガラスープの素、いりごま、酢 |
水炊き |
春菊、豆腐、ネギ、鶏肉、しめじ |
ルテオリン以外の成分もチェックしながらサプリメントで健康になる
ルテオリンを食品から摂取することも不可能ではありませんが、効率的に摂取するならサプリメントがおすすめです。ルテオリン配合のサプリメントも多数販売されていますので、選び方のポイントを紹介します。
機能性表示食品かどうかを確認
ルテオリンのサプリメントを選ぶ際には、「機能性表示食品」かどうかを確認しましょう。
「機能性表示食品」は、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です。
引用元:消費者庁 「機能性表示食品」って何?
機能性表示食品とは「お腹周りの脂肪を減らします」など商品の機能性を表示できる商品。科学的な根拠に基づいた成分を配合しているということです。
ただし、機能性表示食品は特定保健用食品(トクホ)とは異なり、効果や安全性を国が審査をして消費者庁官が許可したものではありません。
GMPマークがついているものを選ぶ
パッケージにGMPマークがついているものを選んだ方が安全です。
さまざまなサプリメントの中には、配合成分や製造工程などにおいて信頼できないものがあります。そのようなサプリメントを選んでしまうと、ルテオリンなどの成分がほとんど配合されていない、不純物が含まれていて体に悪影響を与える、などといったデメリットが生じることがあります。
健康食品(特に錠剤やカプセル状のもの)は、製造の過程で濃縮や混合 などの作業が行われるため、製品中に含まれる成分量にバラつきがでた り、汚染などにより有害物質が混入したりする可能性があります。
引用元:厚生労働省 GMPマークを目印に健康食品を選びましょう!
GMP(適正製造規範)とは、原材料の受け入れ、製造、出荷といった過程において、安全に、また基準にそった品質で製造、管理をするといった基準のことです。
GMPマークがあるということは、管理の行き届いた工場で、安全性を保ち、品質を保って製造されたということです。
GMPに認定されている工場で製造されたサプリメントは、次のような点において安心できます。
- 原材料が正しいもので、量も正確
- 衛生的
- 異物の混入がない
- 賞味期限内の品質が保たれている
- 苦情への対応ができるよう製造や品質などの記録がある など
残念なことですが、出回っているサプリメントがすべて安全であるとは限りません。数多くあるサプリメントの中から安心して服用できるものを選ぶには、GMPマークがあるものを選ぶことをおすすめします。
ルテオリン以外の成分を確認する
多くのサプリメントはルテオリン以外の成分も配合されています。尿酸値を下げることを目的としてルテオリンのサプリメントを選んでいるとしても、尿酸値が高くなる場合、内臓脂肪が気になっていたり、血行不良が心配だったりすることも多いでしょう。
その場合は、脂肪燃焼をサポートする成分が入っているなどのサプリメントを選ぶとよいです。ルテオリンと一緒に摂取するのがおすすめの成分と、期待できる効果について紹介します。
成分 |
期待できる効果 |
GABA |
ストレス軽減、リラックス効果、血圧の上昇を抑える |
キトサン |
コレステロールの吸収を抑制、悪玉コレステロールの減少 |
カテキン |
抗酸化作用、コレステロール値を下げる、血糖の上昇を抑制 |
スルフォラファン |
化学物質の解毒作用、肝機能の向上 |
アンセリン |
尿酸値の上昇を抑える、尿酸を体外に排出する、疲労回復 |
田七人参 |
血流の改善、中性脂肪やコレステロールの吸収を防ぐ、肝機能を高める |
アンペロプシン |
尿酸の合成を防ぐ、尿酸を排出する |
飲みやすさや継続しやすさをチェック
サプリメントは継続して服用することが必要です。
そのためには、飲みやすい形状のものを選ぶことです。サプリメントの形状は錠剤、カプセル、顆粒などいろいろです。錠剤やカプセルのサイズも異なります。
形状やサイズのほか、
- 1回に服用する量や1日の服用回数
- 持ち運びする場合は携帯しやすいパッケージかどうか
などもチェックしましょう。
また、サプリメントは価格もいろいろです。あまりにも低価格であるものは成分の配合量、製造工程などに問題がある場合もあるので要注意です。
しかし、あまり高価すぎると、続けていくことが困難になることもあるでしょう。1日あたりにかかる金額や1ヵ月でいくらかかるのかを比較し、無理なく続けていけるサプリメントを選ぶことです。
尿酸値が高い場合は医療機関で治療をする
ルテオリン配合のサプリメントは尿酸値に関与すると言われていますが、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える方は、サプリメントではなく医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。
尿酸値が高くなる要因はさまざまです。サプリメントを服用していても、要因が取り除かれなければ症状が悪化する可能性もあります。
先にも述べたように、尿酸値が高い状態を放置しておくと、通風や尿路結石、腎臓の機能低下、さらには関節の損傷、高血圧の悪化、脂質異常症などを引き起こすリスクが高まります。
高血圧や脂質異常症は動脈硬化を進行させ、心血管疾患などを引き起こすこともあるので注意が必要です。
すでに足の親指の関節に痛みがある、赤く腫れているなどの症状があるなら、通風の可能性があるのですぐに医療機関を受診しましょう。
「ルテオリンの効果」に関するよくある疑問
「ルテオリンの効果」に関するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q ルテオリンとは何ですか?
A ルテオリンはフラボノイドの一種です。春菊やパセリ、セロリなど野菜や果物に含まれている物質で、強い抗酸化作用があると言われています。
Q ルテオリンにはどのような効果があるのですか?
A
ルテオリンには尿酸値を下げる効果があると言われています。そのほか、動脈硬化を防ぐ、高血圧予防、肥満防止など生活習慣病対策ができる効果、白髪予防の効果も期待されています。
Q 尿酸値が高くなる原因は何ですか?
A
主な原因は尿酸が増えてしまい体内に溜まってしまうことです。尿酸が溜まる原因として、アルコールの過剰摂取、内臓脂肪が多い、水分不足、運動不足、ストレスが溜まっている、また遺伝などが考えられます。
Q ルテオリンは女性にとっても効果がありますか?
A
ルテオリンは男性、女性問わず効果が期待できます。女性も閉経後は尿酸値が上がりやすくなるので、ルテオリンなどの成分を摂取するのも予防になるでしょう。
また、抗酸化作用の強い物質なので、尿酸値を下げる効果以外にも血管を強くするほか、白髪予防効果や美肌に対する効果も期待できます。
Q ルテオリンのほかに尿酸値を下げる効果が期待できる成分はありますか?
A
アンセリンという成分も尿酸値によい影響を与えると言われています。アンセリンはカツオやマグロなどに含まれる成分で、尿酸の産生を抑える、尿酸の排出を促す効果が期待できると言われています。
ルテオリンは尿酸値を下げるほか動脈硬化予防や美容効果も期待できる
ルテオリンは尿酸値を下げる効果があると言われている成分の一つです。フラボノイドの一つで強い抗酸化作用があり、動脈硬化の進行を防ぐほか高血圧や肥満対策の効果も期待されています。また、美容に関する効果や白髪予防に対する働きも報告されています。
特に尿酸値に関する働きはルテオリンの代表的な作用です。尿酸値が高いままだと、通風や尿路結石、さらに腎臓機能の低下などのリスクもあるので注意が必要です。
サプリメントも数多く出ていますので、生活習慣を見直すと同時に適したものを選んで摂取しましょう。