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記事: ノコギリヤシに期待できる効果や服用時の注意点を徹底解説!

ノコギリヤシに期待できる効果や服用時の注意点を徹底解説!

ノコギリヤシの成分を使ったサプリメントを目にする機会があると思います。男性の薄毛や排尿トラブルの改善効果があると言われていて、気になっている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、ノコギリヤシについての基本情報や効果、注意点についてまとめました。ノコギリヤシを試してみたいと思っている人はぜひ参考にしてください。

ノコギリヤシはアメリカ南部に位置する地域原産の低木です

ノコギリヤシは、学名が「Serenoa repens」と言うヤシ科の高さが2~4メートルほどになる低木です。フロリダ半島からミシシッピ州にかけての北米南東部が原産となります。 ノコギリヤシの特徴は、その葉っぱにあります。
  • 扇状の葉っぱ
  • ノコギリ状の葉柄
ノコギリの形に葉っぱが似ているため、ノコギリヤシと名前になっています。乾燥に強く砂地などどのような土壌にも対応できるため、アメリカのヤシでは一般的に見られるものです。 ノコギリヤシには夏から秋にかけてベリーほどの大きさの実がなります。楕円形で、熟してくると黄色からオレンジ、褐色・青黒色と色が深くなっていきます。

ノコギリヤシは先住民族時代から利用されてきました

ノコギリヤシの歴史は古く古来では北米の先住民族が食用や医療目的で食べていました。実を食べるときはそのまま生で食べたり乾燥させて保存食としたりすることもあったようです。
先住民族は滋養強壮剤や利尿剤などの伝統医療目的で利用されており、中国でも棕櫚子という名前で泌尿器疾患の漢方薬として使われていました。19世紀後半になるとヨーロッパからの移住者もノコギリヤシの効能に気づきはじめ、1990年にはフランスのシャンポール博士が前立腺肥大症の効き目について報告したことで20世紀に入ると前立腺肥大症、男性型脱毛症治療に利用され始めました。
現在、ノコギリヤシの果実エキスはヨーロッパで医薬品として認可されています。 現在では、ノコギリヤシは様々な形で流通しています。
  • カプセル剤:脂溶性成分の吸収に合っている
  • 錠剤:持ち運びに便利
  • 液体のエキス:吸収がスピーディー
  • ティーバック:普段の生活の中で水分補給として取り入れられる
いずれもサプリメントとして販売されています。ノコギリヤシだけではなく、他の成分と組み合わせたものも多く見られますね。 ノコギリヤシは実を乾燥したりエキスを抽出したりしたものに有効成分が含まれていて、健康補助食品などに利用されているのです。 ドイツでは、医薬品に分類されるハーブの安全性と有効性を評価するために設けられたコミッションEで承認されたメディカルハーブにあたります。現代医療とハーブ両方を合わせた総合医療を推進しているドイツで認められて、長年利用されています。 また、ノコギリヤシの実には油性物質が多く、食用や薬用の他に燃料用油としても使われています。

ノコギリヤシの有効成分は主に4つあります

ノコギリヤシの有効成分は果実に含まれています。主なものが次の4つです。
  • 脂肪酸(ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸など) 5α-還元酵素阻害
  • 植物ステロール(βシトステロール) DHT抑制
  • ポリサッカライド 抗酸化作用
  • フラボノイド 免疫機能調整
栄養面も見てみましょう。
  • ビタミンE誘導体
  • βカロテン
これらのビタミン、ミネラルや抗酸化物質も含まれています。

ノコギリヤシの主な作用は男性型脱毛症と前立腺肥大症への効果です

ノコギリヤシには様々な効果があると言われています。代表的な効果が、次の3つです。
  • 脱毛予防効果
  • 前立腺肥大抑制効果
  • 排尿改善効果
それぞれの効果について詳しく見ていきます。

5α-還元酵素を阻害することによる脱毛予防効果が期待されています

男性型脱毛症であるAGAは、男性ホルモンの1つであるDHT(ジヒドロテストステロン)が増えることによって引き起こされるものです。 DHTは、テストステロンと5α-還元酵素がくっつくことで作られますが、ノコギリヤシに含まれる脂肪酸や植物ステロールが5α-還元酵素の働きを抑えることでDHTの生成を阻害してAGAの進行を抑えると考えられています。 海外の臨床研究では、軽度から中度のAGA患者に2年間ノコギリヤシを投与したところ、頭頂部の薄毛に38%の改善が認められたとの結果が認められています。 他の研究でも、ノコギリヤシエキスを6か月摂取した場合、プラセボ群は11%だったのに対してノコギリヤシ群では60%もの参加者の毛髪改善が見られたとの報告もあります。 2年間長期摂取した場合の追跡調査では、毛髪の密度が増加した、毛髪の太さが改善したなどの結果も報告されています。 また、ノコギリヤシには様々な栄養成分が含まれているため、毛包細胞の代謝を活性化して健康な髪づくりをサポートする役割もあると考えられています。 ただし、ノコギリヤシがAGA症状改善に少なからず効果があると期待できますが、効果の程度や効果が出る時期には差があります。 2012年に発表された研究では、ノコギリヤシを単独で摂取した場合は有用性が見られなかったとする結果も報告されており、日本ではエビデンスが不足しているとして医薬品に認められていない実情もあります。 また、ノコギリヤシには炎症物質であるLTB4の生成を抑制する働きも報告されています。LB84によって炎症が起きれば脱毛症が進んでしまいますがノコギリヤシによって炎症が抑えられれば脱毛の進行を抑えられる可能性があります。

5α-還元酵素を阻害することによる前立腺肥大抑制効果が期待されています

ノコギリヤシは、男性の前立腺肥大症の治療目的で使用されることも多くあります。 前立腺肥大症の原因は様々ですが、その1つにDHTの過剰作用があります。先ほど紹介した通り、ノコギリヤシには5α-還元酵素の働きを阻害する働きがあります。 前立腺肥大症の原因となるDHTの過剰生成を抑えることにつながるため、前立腺肥大症の初期症状改善、予防に効果があると言われているのです。 前立腺肥大症患者にノコギリヤシ抽出物である植物ステロールを3カ月摂取してもらったところDHTと上皮成長因子が減少してテストステロンが増加したことで、前立腺肥大症治療薬であるフィナステリドと同様に前立腺肥大症予防効果があると示した報告もあります。 2020年に男性1,080例を対象とした研究でも、前立腺肥大症患者に対して治療薬であるタムスロシンと同等の効力を持つことが報告されています。
参照元:MSDマニュアル
ただし、その一方でノコギリヤシエキスには前立腺肥大症の回復効果が見られなかったとする臨床結果も見られます。
  • 369人を対象としたプラセボ群との対照実験では、ノコギリヤシエキス服用量を増やしてもプラセボを上回る結果が出なかった
  • 2021年に複数の研究結果を分析したところ前立腺肥大症に起因するLUTSの治療においてノコギリヤシの優位性は認められなかった
前立腺肥大症の症状について効果が出たりでなかったりするため、有効性が確実に認められたとは証明できずに日本では医薬品として認可されず、サプリメントとしての活用にとどまっています。

抗炎症作用による排尿改善効果が期待されています

ノコギリヤシの実から抽出したエキスであるsawpalmetto extract(SPE)を使った検証では、多くのケースで最大尿流量率および夜間頻尿の改善が認められています。 1995年にイタリアで行われた研究を例に挙げると、3週間にわたり160㎎のノコギリヤシエキスを投与した場合、残尿感が改善されたことが報告されています。 前立腺肥大患者を対象とした研究でも、ノコギリヤシ果実エキスを1か月間摂取したところ夜間の排尿回数が平均して3.1回から1.7回まで減少したことが報告されました。 ただ、一方では国際前立腺症状スコアであるIPSSや米国泌尿器科学会症状指標では、2つの試験で有効性が認められた一方で他の試験では有効性が見られないなど、SPEの規格や試験期間にばらつきがあると異なる結果が出てしまっていることも分かっています。 日本で医薬品としてノコギリヤシエキスが認められていないのもまだ研究・検証が不足している状態であることが要因だと言えるでしょう。

他にも様々な症状や疾患に効果があると言われていますが研究結果は十分ではありません

ノコギリヤシには今まで紹介した以外にも様々な効果があると言われることがあります。
  • 精子の量を増やす
  • 乳房を大きくする
  • 性的活力を向上させる
  • 抗がん作用がある
これらに科学的根拠はなく、個人の体験談などでしか確認できないため効果があるとは言えません。 あくまでも個人の判断になりますが、過度に期待しないようにしたいですね。

ノコギリヤシの成分を研究してできたAGA治療薬がプロペシアです

AGA治療薬として有名なプロペシア(成分名:フィナステリド)は、ノコギリヤシと同じように5α-還元酵素を阻害することで薄毛の原因となるDHTの生成を防ぎ薄毛を防ぎます。 フィナステリドは5α-還元酵素阻害の研究から開発されたもので、ノコギリヤシと同様の作用があります。 ただし、プロペシアは薄毛に効果があると認められている医薬品です。 AGAの効果に対する臨床研究で分かった薄毛に対して効果が見られた人の割合がこちらです。
  • ノコギリヤシ:38%
  • プロペシア(フィナステリド):69%
AGA改善率はプロペシアの方が高く、薄毛治療効果が高いと言えます。 ただし、天然成分であるノコギリヤシに対してプロペシアは医薬品であるため副作用のリスクがあります。
  • アレルギー症状
  • 性欲減退
  • 勃起機能不全
  • 肝機能障害
プロペシアを選ぶときは医師の診断を受けて詳しく説明を受けてから処方してもらうようにしましょう。

ノコギリヤシの服用方法は主にサプリメントです

ノコギリヤシの成分を摂取するなら、日本ではサプリメントを選ぶのが一般的です。 サプリメントからノコギリヤシを摂取する場合、ノコギリヤシ以外の成分が含まれていることも珍しくありません。
  • ノコギリヤシの成分がどのくらい入っているか
  • 他にどのくらい有効成分が含まれているか
  • 添加物は何が使われているか
ノコギリヤシ以外の成分が含まれることで、より多くの効果が得られる可能性があります。自分が求める効果のあるものを選ぶと良いでしょう。 ノコギリヤシエキスとプラスして使われている成分の一例をあげてみましょう。
  • リコピン
  • セサミン
  • ビタミンE
  • グリセリン
  • ゼラチン
  • コラーゲンペプチド
  • イチョウ葉エキス
  • イソフラボン
  • カプサイシン
  • バイオポリリン酸
使われている成分によってもちろん効果が変わってきます。どのような成分が使われていて、使われている成分にどのような効果があるのかをしっかり確認しておきましょう。

ノコギリヤシの摂取量目安は1日320㎎です

ノコギリヤシの摂取量目安量は、1日あたり320~360㎎とされています。 ただし、抽出方法や製品の規格(SPE、粉末など)により異なる(商品によっては150mg〜でも効果を謳うものもある)ため、商品ごとの推奨量を必ず確認してください。 多く摂取すればするほど効果が高まるというわけではありませんから、1日の摂取量目安を守るようにしてください。 この量を超えて服用すると副作用が出る恐れがあります。 また、この量はカプセルで摂取したときのものです。
  • 液体エキス:1~2ml
  • 乾燥果実:1~2g
ノコギリヤシサプリの形状によって摂取目安量が変わってきます。 各商品の取り扱い説明書をしっかりと読み、用法・用量を守るようにしてください。

ノコギリヤシに重篤な副作用はありませんがいくつか注意点があります

ノコギリヤシエキスは天然由来の成分であり、適切な量であれば重篤な副作用が起こる可能性は低いと言えます。 ノコギリヤシは日本ではあくまでも健康食品、サプリメントでしかありません。副作用について具体的な研究は行われていませんから、副作用を知るのであれば医薬品として使用されている外国を参考にしなければいけません。 報告されている副作用はこちらです。
消化器系に関するもの 腹痛、便秘、下痢、吐き気
過敏症に関するもの 口の腫れ、息切れ、発疹、かゆみ
生殖器に関するもの ホットフラッシュ(自律神経の乱れ、顔のほてり、汗)
血圧に関するもの 頭痛、めまい、ふらつき
これらの副作用は一時的なものですが、長く続くときは医療機関で相談するようにしてください。

ノコギリヤシと相互作用がある薬はまだ明らかではありません

何か常用している薬がある場合、ノコギリヤシを摂取しても良いのか気になりますよね。 実は、ノコギリヤシと相互作用がある薬は明らかになっていないため、同じような効果がある薬を飲んでいる場合は注意が必要です。 ノコギリヤシの作用として5α-還元酵素の阻害があります。AGA治療薬であるプロペシアやザガーロは同様の働きをするため、併用しないようにしてください。 また、ノコギリヤシは経口避妊薬やホルモン補充療法をしている人もノコギリヤシを摂取するのは控えた方が良いとされています。エストロゲンと作用して効果が落ちてしまう可能性があるためです。 また、ワーファリンなどの抗凝固薬を使用している場合、出血リスクが高まる可能性が指摘されています。 服用中の薬がある人、治療中の疾患がある人は、ノコギリヤシを摂取する前に必ず医師に相談してください。

ノコギリヤシを摂取してはいけない人を確認しましょう

ノコギリヤシを摂取して健康被害を起こさないためにも、以下に該当する人は注意しましょう。
  • 妊娠中、授乳中の女性
  • ホルモンを調節する薬を飲んでいる人
  • 消化器疾患がある人
  • 高血圧症の人
  • 抗血小板薬、高血液凝固薬を服用している人
ノコギリヤシは消化器系に副作用が起こる可能性があります。消化器疾患がある人は症状が悪化する可能性があるので気を付けてくださいね。

使用されている添加物にアレルギーがあることもあるので要注意です

ノコギリヤシのサプリメントは、有効成分100%で作ることはできません。必ず添加物が使われています。 使われる添加物によってはそれがアレルゲンとなる可能性もあるので注意が必要です。 どうしてサプリメントに添加物が使われているのかというと、商品の品質に問題が出る恐れがあるためです。 添加物を使わなかった時に生じるリスクがこちらです。
  • 機械を詰まらせてしまう
  • 材料が均一にならない
  • 固まりにくい
  • 湿度などで品質が劣化しやすくなる
粉の流動性を高める、固めるなどの添加物を使うことでこれらの問題が解決できますし、サプリメントに使うカプセルそのものにもゼラチンやグリセリン、セルロースなどの添加物は欠かせません。 食品由来の添加物もあります。
  • 乳糖
  • ブドウ糖
  • 麦芽糖
  • ショ糖(でんぷん由来)
  • 脂肪酸(ヤシ油由来)
化学成分が気になる方はチェックしてみると良いでしょう。 ただし、増量剤、着色料、甘味料、保存料、香料など使わなくても良い添加物もあります。サプリメントを構成する9割以上が添加物であるという商品もないわけではありませんから、成分表示をしっかりと確認しておくことをおすすめします。 特に、海外製のサプリメントは注意が必要です。表示義務が日本と違うので何を使っているか分からないこともありますし、日本では認められていない成分が使われている恐れもあります。 同じ製品に一定量の成分が含まれているかどうか、品質が確保されているかどうかを判断する目安の1つとして、健康食品GMPがあります。
【健康食品GMPとは】 健康食品を製造するにあたり、安全・一定の品質を保つための基準で原材料受け入れから出荷までの全ての工程で適用されるものです。認可を受けるためには、厚生労働省のガイドラインに基づき、第三者機関による審査・査察が必要です。
サプリメントの中でも機能性表示食品なら健康食品GMPに則ることが求められますが、健康食品になると義務ではありません。 しかし、健康食品でもGMP認定マークを付けているものもありますから、安全性を確認する1つの目安として覚えておくと良いでしょう。信頼できるサプリメントを選ぶように心がけたいですね。

ノコギリヤシエキスを摂取できるサプリメントは「健康食品」です

日本でノコギリヤシエキスを摂取しようと思ったら、先ほど紹介した通りサプリメントを選ぶことになります。 サプリメントは「健康食品」の一種です。
サプリメント、健康食品は「医薬品」ではありません。また、国が制度を作って機能性などの表示を許可している「特別用途食品」「特定保健用食品」「栄養機能食品」とも違います。
食品の分類についてまとめてみました。
食品 概要 種類
特別用途食品 特別用途の表示ができる 消費者庁の審査が必要 病者用食品 乳児用調製粉乳 妊産婦・授乳婦用粉乳 嚥下困難者用食品
保健機能食品 保険機能表示(消費者庁の審査が必要) 栄養成分機能表示ができる(消費者庁の審査は不要) 栄養機能食品 特定保健用食品
一般食品 効果、機能は表示できない 健康食品 その他一般食品
参照元:厚生労働省
特別用途食品や特定保健用食品には該当しない、国が保険効果や健康効果の表示を許可していないものが健康食品です。サプリメントもここに含まれます。 ただし健康食品の中でも最近では例外として限られた範囲内で栄養機能の表示が認められているものがあります。
  • 機能性食品
  • 栄養補助食品
  • 健康補助食品
  • 栄養強化食品
  • 栄養調整食品
サプリメントでも、ビタミンやミネラルが栄養機能食品の基準を満たせば栄養機能食品となることもあります。 ただし、機能表示が認められていたとしても「医薬品」ではなく「食品」です。
  • 病気を治すものではない
  • 健康の維持、増進サポートが目的
これを忘れないようにしましょう。

健康食品は安全とは限りません

健康食品は健康になるためのものだから安心だ、と考える人がいるかもしれませんがそうではありません。 内閣府の食品安全委員会でも、健康食品について注意喚起を行っています。
  • 大量に摂ることで健康を害する可能性がある
  • 過剰摂取の恐れがある
  • 医薬品ではない、薬の代わりにはならない
  • 効果に個人差があり自分に合っているとは限らない
  • 「天然」や「自然」は安全を意味するものではない
  • 無承認無許可医薬品がある
  • 健康食品は健康な成人を対象にしたものである
  • 病気の人が摂ると病状を悪化させることがある
健康食品を摂取した後に体調不良を訴える人はゼロではありません。 健康の基本は次の3つです。
  • バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 十分な休養
健康食品はあくまでも健康をサポートするものであることを認識し、普段からできることをしっかりやっておくことが大切です。

ノコギリヤシを摂取するときには記録を付けておくと安心です

「ノコギリヤシは健康食品だからいくらでも摂っていい」というのは間違いです。 海外で医薬品として認められているぐらいですから、何か起きた時のために自分がどのくらい摂取したのかを記録しておくと安心です。
  • いつ
  • 何を
  • どのくらい摂ったか
  • 体調の変化
手帳やカレンダーにメモしても良いですし、スマホに記録しても良いでしょう。続けやすい方法を選ぶと良いですよ。

ノコギリヤシの効果はすぐ出るわけではありません

ノコギリヤシは医薬品ではないため即効性があるわけではありません。 ノコギリヤシの効果が出るまでは、最低でも数カ月以上継続することが大切です。
  • 急激な増量は避ける
  • 辛抱強く続ける
  • 定期的に状態を確認する
この3つをポイントとしておきましょう。 ノコギリヤシは天然の成分なので副作用リスクは低いのですが、適量を超えて摂り続けると健康を害する恐れもあります。
また、病気の治療をしている人や女性もノコギリヤシ成分を摂ることによって健康を害する可能性があるので、服用する際には医師や薬剤師に相談することが大切です。そして、用法・用量を守ることを心がけましょう。
また、効果については個人差があり、数カ月飲み続けても効果が出ないこともあります。この期間はあくまでも目安であり、効果が出ない時は他の方法を試してみることも検討しましょう。

ノコギリヤシは長期服用しても安全です

ノコギリヤシを長期使用した際の安全性については、5年間までであれば検証が行われています。
  • 1年未満…良好
  • 1年~3年…良好
  • 3年~5年…良好
  • 5年以上…要研究
5年を超えて摂取を続けたデータについてはまだ十分ではなく、今後の研究を待つ必要があります。 また、安全性が示唆されているとしても次の点に注意が必要です。
  • 定期的に健康診断を受ける
  • 体調について自己観察する
  • 適切な用法・用量を守る
何かあったときに限らず、普段から相談できる医療関係者がいることも大切になってきます。 安心してノコギリヤシを服用するために、しっかり気を付けておきたいですね。

ノコギリヤシはいつ飲むかより継続して飲むことが大切です

ノコギリヤシを飲むタイミングは商品によって指示されている場合もありますが、1日1回、などの表記の場合は自分が飲み忘れにくいタイミングを選ぶと良いでしょう。 ノコギリヤシを飲むタイミングによってどのようなメリットが得られるのかが変わってきます。
  • 食事と同時に摂る:有効成分の吸収率が良い
  • 食事の後に摂取する:体内の作用が安定化する、胃腸への負担を和らげる
  • 食事の前に摂取する:脂質の過剰な吸収を防ぐ効果が期待できる
また、1日に2錠、3錠服用するタイプの場合は、1度に飲むのではなく朝晩、朝昼晩などに分けて飲むのも良いでしょう。体内に継続して成分を保つことができます。 ノコギリヤシを飲む大切なのは用法・用量を守り最低でも3カ月以上継続することです。 短期間で効果が出るものではありませんから、長期的な視点で続けていくことが大切です。

ノコギリヤシには効果がないと言われてしまうのは、信頼できるエビデンスが少ないため!

ノコギリヤシにはいろいろな有効性があると報告されている一方で、効果はないと言われてしまうこともあります。 それは、ノコギリヤシに対する研究が十分ではない、エビデンスが少ないためです。 頻尿治療効果については海外で有効であることが示されていますが、日本ではエビデンスが不十分だということで日本の夜間頻尿診療ガイドラインの中で推奨グレードC2(行うよう勧められない)としています。 エビデンスが不十分だとする根拠がこちらです。
  • 有効性を示す報告はあるが効果が一貫していない
  • 適切な摂取量が明確ではない
  • 有害事象もある
  • 様々な健康食品が夜間頻尿に対して有効性示しているが複数の大規模RCTで裏付けられたものはない
ノコギリヤシエキスの適切な量や継続期間も検証によって様々で決まっていませんし、商品によって効果が見られないという調査結果もあります。 また、ノコギリヤシエキスを摂取したことで健康被害が起こった症例も報告されています。
  • 58歳白人男性:ノコギリヤシの乾燥エキス900mgと粉末果実660mgを摂取し急性肝障害を起こした事例
  • 65歳男性: ノコギリヤシ摂取により急性膵炎を起こした可能性がある事例
参照元:MSDマニュアル
ノコギリヤシの成分、濃度によって安全性や効果に影響が出る恐れがあることも、ノコギリヤシには効果がないと言われる要因になっているようです。

ノコギリヤシの女性への作用は不明な部分が多い状態です

ノコギリヤシはAGAや前立腺肥大症、排尿障害に効果がある可能性がありますが、女性への有効性は確認されていません。 女性がノコギリヤシを摂取するのは十分な検証が行われていませんので、あえて利用することもないでしょう。 薄毛への効果についても女性と男性で同じ効果が得られる保証はありませんし、妊娠中や授乳中の女性における安全性も確認できていないので、女性は使用しないようにしましょう。 厚生労働省でも、ノコギリヤシの摂取に関して女性や子供の使用は安全性が分かっていないと発信しています。
また、ノコギリヤシはDHTの生成を阻害する働きがあるとされていますが、男子胎児の外性器発達にはDHTが欠かせません。妊娠の可能性がある女性はノコギリヤシを摂取すると胎児・乳児に影響が出る可能性があります。
繰り返しになりますが、女性は自己判断でノコギリヤシを使用しないように気を付けてください。

ノコギリヤシについてよくある質問をまとめました

ノコギリヤシについて気になる不安、疑問をまとめました。興味がある人はぜひ参考にしてください。

ノコギリヤシとは何ですか?

アメリカ南東部原産のヤシ科の植物で、古来より食用や医療目的で使われていました。紀元前15世紀ぐらいからは、男性の表記症状改善目的で使用されていたとの記録もあります。

ノコギリヤシは薄毛に効果がありますか?

ノコギリヤシにはAGAの原因であるDHTの生成を抑える作用があると言われていて、AGA治療薬として有名なフィナステリドはノコギリヤシの成分を研究して作られました。 ただし、ノコギリヤシにAGA治療効果があるかどうかは検証によって結果が分かれておりエビデンスが十分ではありません。 薄毛を改善する効果が期待できるというデータはありますが、日本ではあくまでも健康食品としてのみ利用されるにとどまっています。 また、現在AGA治療をしている人は治療薬を併用することで副作用が強く出る可能性があります。服用前には医師に相談するようにしてください。

ノコギリヤシは前立腺肥大症に効きますか?

ノコギリヤシエキスは前立腺肥大症による頻尿などの症状を穏やかに改善する効果があると言われており、多くの研究で前立腺肥大に関連する排尿症状に対して色々なノコギリヤシ製剤が評価されています。 ヨーロッパなど前立腺肥大症の予防や症状改善に効果があるとし使用されていますが、研究結果によって効果が一致していないこともあり日本では医薬品として認められていません。

ノコギリヤシに男性不妊の効果はありますか?

ノコギリヤシには男性機能向上効果が期待できると言われていますが、立証されているわけではありません。男性不妊に対する効果も科学的な根拠はありませんので注意が必要です。

ノコギリヤシを服用する注意点はありますか?

ノコギリヤシは天然由来の成分で比較的安全ではありますが、摂取しすぎると胃の不快感や嘔吐、下痢などの症状が出る場合があります。1日の摂取量(320㎎程度)を守るようにしてください。 また、ノコギリヤシ成分の女性に対する影響調査は十分ではありません。妊娠中、授乳中の女性は特に使用しないよう気を付けてください。 服用中の薬がある、治療中の病気がある人も、医師に相談してから摂取するようにしてください。

女性もノコギリヤシを摂取して良いですか?

女性の病気や症状に対するノコギリヤシの効果は研究があまり行われていません。また、男性ホルモンへの影響が考えられるため、女性の服用はおすすめできません。

ノコギリヤシの効果は「ある」と言われたり「ない」と言われたりするのはどうして?

ノコギリヤシエキスについては、一部の研究で有効性が報告されています。ただし、研究規模が小さかったり期間が限定的だったりするため、信頼性に疑問があります。 また、研究によって結果が違うこともあり、科学的根拠があるとはいいがたい面もあります。期待する効果が得られない可能性もあるので注意しましょう。

ノコギリヤシはどうやって摂れば良いですか?

日本でノコギリヤシを摂るなら、サプリメントを飲むのが一般的です。サプリメントを飲む量は、商品説明書を守るようにしましょう。 飲む時間、タイミングについては忘れにくいときを選ぶと良いですが、食事中、食後に飲むようにすると胃腸への負担が少なくて済むでしょう。

ノコギリヤシは科学的根拠が不足しているので過度な期待に注意が必要です

ノコギリヤシは古くから北米先住民などに健康維持や治療に使われてきたヤシ科の植物です。前立腺肥大症の予防・改善や薄毛の予防に効果があると期待されていますが、実は科学的根拠は十分ではありません。 ポジティブな結果が出ているものもあれば、効果がなかったとする検証結果もあります。日本では健康食品としてサプリメントで摂取するしかありませんが、医薬品ではないため効果が出るまでには長期で服用を続けることが必要となります。 効果が出るかどうかも個人差がありますので、過度な期待をしないこと、健康に変化があれば医師に相談することなどを心掛けて活用することが大切です。

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